ファーランド(英:Far Lands)[1] とは元々、Java Edition Beta 1.8以前にあった、ワールドの遠くの地点での地形生成のバグを呼ぶ語であった。
この記事ではワールドの端と、その内側の領域での現象についてのまとめである。
概要
Java EditionはInfdev段階でワールドの制限が大幅に緩和され無限となったが、浮動小数点数演算の制約などから、早くからワールドには事実上の制限があることが知られていた。ワールドの中央部からある程度の距離を離れると、ワールドの生成が異常をきたし、様々な現象、ひいてはクラッシュを含む問題が観測されていた。これをファーランド(Far Lands)と呼ぶ。
Java Edition Beta 1.8の更新で、ファーランドで起きる地形異常は偶発的に[1]削除されたが、それ以外の制限は依然として残っている。
Java Editionの現在のバージョンでは、/tpコマンドは、X/Z座標が±30,000,000までの値のみを受け入れる。現在位置からの相対位置指定であってもである。この範囲を超えると幻の地形、偽のチャンクが生成されるようになる。幻であるので、プレイヤーが足を踏み入れると奈落へと落ちてしまう。またこの領域では、そこに見えるブロックを壊すことも、また新たにブロックを置くことも出来ない。つまりこの範囲が事実上のワールドの制限となる。1ブロック=1mとすると、Java Editionのワールドの大きさは地球の外周の1.5倍の平面、面積にして7倍ほどになる。
ファーランドの地理
ワールド中央から離れるにつれ、浮動小数点演算の誤差による問題が顕著となる。例えば:
- X/Z座標が12,550,868の地点を越えると、村人の腕の描画がされなくなる。それ以外の体のパーツは正常に表示される。
- はしごの当たり判定が無くなる。
- X/Z座標が±2,097,151を越えると、ピストンの軸が正常に描画されなくなる。
- X/Z座標が±4,194,303を越えると、レッドストーンの描画と接続が正常に機能しなくなる。
- X/Z座標が±8,388,607を越えると、松明の炎が松明の場所からずれる。
- X/Z座標が±8,388,607を越えると、雨はランダムなパターンとしては描画されなくなる。例えばブロック境界に壁のように描画されたり、ブロックの角に集中したりする。
- 松明の炎が、軸からずれた場所、例えば隣のブロックなどに現れるようになる。
X/Z座標が±30,000,000より大きな場所では、偽チャンクが生成され始める。偽チャンクは、ワールドとして存在しているように見えるが、実体はなく、プレイヤーが立ち入ろうとすると奈落へと落ちてしまう。
これらは光源処理が機能せず、ブロックのクリッピングも機能しなくなる。偽チャンクの構成物は、草地、土、菌糸、砂、岩盤、石 (氷も稀に発生するが、一度には1ブロックのみとなる)(加えてネザーのファーランドではネザーラック)、水、溶岩のみとなる。樹木や雑草などの飾りは生成されず、Mob も出現しない。通常のオーバーワールドとファーランド境界に樹木が生成されたなら、ファーランド側では切り取られたようになる。
以前のバージョン
Java Edition Beta 1.8より前は、通常のワールドはそれ以降よりも小さく、X/Z座標が±12,550,820ブロック以遠がファーランドと呼ばれる区域だった。この頃のファーランドは実体がある、ワールド生成にバグが発生した奇妙な空間だった。通常のワールドを中央に置くと、四辺に接している部分をファーランド端部(Edge Far Lands)、あるいは "The Loop"、四隅をファーランド隅部(Corner Far Lands)、あるいは "The Stack" などという呼ばれ方をしていた。X/Z座標が±32,000,000ブロックを越えると、偽のチャンクが生成されていた。
この頃はファーランドへ立ち入るのは危険であった。コンピューターのCPU資源を大量に消費し、処理遅延が大きくなり、果ては性能不足のコンピューターではクラッシュすることもあった。
Bedrock Edition
Old では、ワールドの大きさは256×256ブロックに制限されている。ワールドの端には不可視の岩盤と呼ばれる見えない壁が生成される。これを越えて入ってもブロックを設置することができない。0.9.0からワールドが無限に生成可能にされた。これにより、x か z12550816ブロックからJava EditionのBeta 1.7.3または1.7.10以前にあったファーランドを見ることができるようになった。全ての座標軸において、遠くへ行くと、ジャンプまたは、飛行、ポーションや走るなど速度を出さなければ通れない壁ができる。だんだん強くなる。±4194304を歩いて超えるとブロックの当たり判定がなくなり、奈落へと落ちてしまう。テレポートではある程度(10ブロックほど)超えた場所なら落下しない。±8388608を超えるとテレポートでも落下する。しかし、ヒットボックスが大きい(例えばクモやアイアンゴーレム、馬など)エンティティはブロックの上に乗ることができる。いくつかのブロックの描画がおかしくなる。松明やレッドストーントーチなどはxとzの両方が大きい数値になると描画されなく見える。実際はそこにある。どちらかが低い数値であれば2D風に描画される。雲の動き方が変わる。±16777219を超えるとブロックの描画が引き伸ばされ、1ブロック間隔で隙間が空き、液体の当たり判定が無くなり、大きな当たり判定のあるエンティティもすり抜けるようになる。テレポートできる限界は±30000000だが、エリトラなどを使用し、「壁」を通り抜けることができればそれより離れた場所にも行ける。
Xbox 360 Edition
ワールドの大きさは862×862ブロックに制限されている。
オーバーワールドでは、細長い海か、岸が生成される。ネザーでは岩盤の壁が生成されている。
歴史
Java Edition Classic | |||||
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? | マップの大きさは有限で、"small" (128×128×64)、"normal" (256×256×64)、"huge" (512×512×64) のいずれかから選択されていた。 | ||||
Java Edition Infdev | |||||
? | マップの制約が解除された。チャンク、「塊」を単位としてワールドはプレイヤーの活動範囲の拡大に伴い広がるようになった。 | ||||
プレイヤーは±32,000,000ブロックまで立ち入ることが出来たが、それを越えると捕らわれてしまっていた。 | |||||
2010年2月27日 | X/Z: >16,777,216 blocks are no longer solid, allowing for the player to fall through the world and into a layer of lava. A massive wall of stone will generate at X/Z: 33,554,432 and continue till the 32-bit limit.[2] | ||||
2010年3月27日 | First confirmed appearance of the Far Lands. | ||||
2010年6月24日 | First confirmed floating point precision errors that lasted till Beta 1.7.3. | ||||
Java Edition Alpha | |||||
1.2.0 | ? | Halloween Update以降、マップのX/Z座標が±12,550,820を越えると、地形生成に異常をきたすことが観測されるようになった。 | |||
±32,000,000ブロックを越えて立ち入ることが出来るようになった。ただX/Z座標が非常に大きな場所ではCPU資源を大量に消費し、フリーズしたり、時にはクラッシュしたりしていた。 | |||||
Beyond X/Z of ±32,000,000, phantom chunks generate that can be fallen through. Previously, no blocks were rendered beyond this point, and players were stuck there if they walked past the edge. | |||||
Java Edition Beta | |||||
1.6 | ? | The Far Lands ceiling is unchanged as Beta 1.6 eliminates ability to normally place blocks at Y of 127. | |||
1.8 | Pre-release | ワールド生成が大幅に変更された。ファーランドでの地形生成異常は起こらなくなった。これはNotch曰く、意図しない変更であるとのことだ[1]。 | |||
ワールドの大きさが±30,000,000に制限されるようになった。これ以遠は実体のない偽チャンクが生成され、プレイヤーが立ち入ると奈落へと落下してしまう。クリエイティブモードで飛んで入っても、±30,000,032付近で動けなくなってしまう。 | |||||
The Far Lands were removed, as well as the floating point precision errors (or at least for the player). | |||||
Java Edition | |||||
1.3.1 | 12w25a | (これ以前)クリエイティブモードでワールド境界を越えて進むことが出来る。ただしX/Z座標が±32,000,000を越えると "Illegal Position" エラーが発生しプレイが終了するようになった。 | |||
1.14 | ? | With the addition of the new lighting engine, light completely fails to work after X/Z: >33,554,432, causing everything to become dark and ignore light sources.[3] | |||
Pocket Edition Alpha | |||||
0.9.0 | build 1 | First appearance of the Far Lands. | |||
0.10.0 | build 1 | Chunk jittering at extreme coordinates no longer occur. | |||
0.16.0 | build 1 | It is now possible to get to the Far Lands without modifying the game, due to the addition of the /tp command. |
問題
極端な座標の値のワールドはサポートされていおらず、ファーランドに関連する問題は修正されない可能性がある[4]
トリビア
- エンダーマンを "ファーランダー(Far Lander)" への改名のディベートの結果、Notchはファーランドをジ・エンド (The End) に変えようかという冗談を言ったことがある。これはその後エンダードラゴンが住まう次元の名称として用いられるようになった[5]。
ギャラリー
- VillageFarLand.png
ファーランド境界に生成された村
- Farlandstree.png
ファーランド境界そばに生成された樹木。生成が中断されている。このように樹木は奇妙に見えた
- Farlands-mushroombiome.png
ファーランドのキノコ島バイオーム。巨大キノコもムーシュールームも存在しない
- Farlands2b.png
ファーランドの端部。X座標は2,147,483,420 (FPS値の低さに注意)
- Farlands1.5 corner.png
Beta 1.7で生成されたファーランドをバージョン1.5で見てみた