ここでは金床の仕組みを解説する。金床は、道具や防具、武器の修理やエンチャントの付与、アイテム名の変更などに使用できる。
金床の用途[]
金床は、以下のような用途がある。
- アイテム名の変更
- あらゆるアイテムの名前を変更できる。変更された名前はイタリック体で表示される。
- 変更された名前を元に戻す(例えば土を「スティーブ」という名前に変えた後、「土」という名前に変更する)という操作を行った場合、最終的に出来たアイテムの名称は、イタリック体のままになり、通常のアイテムとスタックすることはできなくなる。名前の部分を空白にすることで元の名前に戻すことができるが、この場合も通常のアイテムとはスタックできない。詳細は#名称変更を参照のこと。
- 基本的にブロックの名前を変更しても、設置して破壊すれば元の名前に戻る。ただ、チェストなど一部のコンテナを持つブロックの場合、設置して開くと変更した名前が表示され、破壊しても名前は変更されたままである。
- 原材料を用いての修理
- 防具、道具、武器を、その原材料となるアイテムで修理できる。例えば、鉄インゴットは鉄製の道具や防具の修理に使うことができる。
- 修理できるのは、金、木、ダイヤモンド、ネザライト、革、鉄製の道具・武器・防具である。例外として、チェーンの防具は鉄インゴットを、エリトラはファントムの皮膜を使って修理できる。
- 同じアイテムを用いての修理
- 耐久値を持つ同じアイテムを2つ組み合わせることで修理できる。
- 回復する耐久値は作業台を使用して修理するアイテム修繕と同じである。2つのアイテムの耐久値の合計に加え、そのアイテムの最大耐久値の5%が加算される。
- エンチャントの処理は以下に記述している。
- エンチャントの本を用いてのエンチャント
- 道具とエンチャントの本を合成することで、エンチャントの本についているエンチャントを道具に付与することができる。
- 同じアイテムを2つ合成するよりもかかる経験値量が少ない。また、斧へのダメージ増加など、エンチャントテーブルでは付与されないエンチャントを付与できることもある。
- 金床の落下
- 落下した金床に当たったMobやプレイヤーにダメージを与える。
- (金床が落下した距離-1)×2のダメージを、当たったMobやプレイヤーに与える。例えば、5ブロック落下した金床は当たったMobやプレイヤーに8のダメージを与える。
- 距離が20ブロックを超えた場合は、一律40ダメージとなる。
- ヘルメットを装備していると、ダメージを25%に抑えることができる。
- また、(5 + 金床が落下した距離×5)%の確率で、金床が一段階劣化する。
必要経験値量の算出方法[]
金床で作業する際に使用する経験値レベルの量を求めるためには、そのアイテムが持つ「累計作業値」から算出される「累積作業費用」と、そのアイテムに対して行う作業から算出される「基礎作業費用」の2つを足すことで求めることができる。この値を「作業コスト」と呼ぶ。作業コストが40を超えてしまうと、「コストが高すぎます!」と表示されて、アイテム名の変更以外の作業ができなくなってしまう。なお、クリエイティブモードを使用している場合は、作業コストが2147483647を超えるまで作業し続けることができる。2147483647を超えると、アイテムの名前の変更を含むすべての作業ができなくなる。
まずは、累積作業費用の算出方法を解説する。
先ほどあった累計作業値とは、そのアイテムを金床で作業した回数のことである。名前の変更以外の作業を行った場合、そのアイテムの累計作業値が1増える。作業したことのないアイテムは累計作業値を持たないが、計算上は0として計算する。作業したことのあるアイテムをさらに作業する場合、出来上がるアイテムの累計作業値は、大きい方の累計作業値+1となる。例えば、累計作業値が2のダイヤモンドのツルハシと、累計作業値が3のエンチャントの本を合成する場合、出来上がったアイテムの累計作業値は4となる。
そして、累積作業費用は、累計作業値から以下の計算式で求めることができる。
(累計作業費用) = 2累計作業値 - 1
表にすると以下の通りである。
累計作業値 | 累積作業費用(RepairCost )
|
---|---|
0 | 0 |
1 | 1 |
2 | 3 |
3 | 7 |
4 | 15 |
5 | 31 |
なお、作業台でのアイテム修繕は、累計作業値、エンチャント、名前を全て削除し、元に戻す。砥石を使用した場合、アイテムは名前を保持したまま、累計作業値と呪い以外のエンチャントが削除され、ついていたエンチャントによっていくらか経験値が返却される。
名称変更[]
金床は、任意のアイテムの名前を変更できる。名前が変更されると、同じアイテムでも名前が違うとスタックできなくなる。また、名前を空白にすると、アイテム名の変更をリセットすることができる。
名称の変更にかかる基礎作業費用は1である。つまり、名称変更のみを行う場合は、2累計作業値がそのまま作業コストになるということである。アイテムの修理やエンチャントと同時に名前を変更する場合は、その基礎作業費用にさらに1を加えて計算する必要がある。
スタックされたアイテムの名前を変更する場合、累積作業費用は無視されるため、必ず作業コストは1である。1つのアイテムの名前を変更する場合は累計作業費用が無視されないが、仮に作業コストが40を超えても、作業コストは39だとして処理され、アイテムの名前を変更することができる。ただし、累計作業費用が2147483647以上になると、アイテムの名前の変更もできなくなる。
名前を変更されたアイテムは、名前と累計作業値が全く同じ名前を変更されたアイテムとのみスタックすることができる。累計作業値を持たないアイテムの名前を変更すると、累計作業値が0となる。金床で名前を空白にすることでアイテムの名前をリセットできるが、このアイテムは累計作業値が0のため、累計作業値を持たない同名のアイテムとスタックすることができなくなる。
名前の変更は作業コストに累計作業費用が加算されるため、アイテムの修理やエンチャントを行う前か、修理やエンチャントをする際に一緒に名前を変更することで、必要な経験値量を抑えることができる。
ブロックの名前を変更した場合、通常のブロックは名前を保持しないため、設置すると名前と修理コストが失われる。なお、チェストやシュルカーボックスといった一部のブロックは、設置しても名前を保持したままになる。修理コストは保持しない。
原材料での修理[]
いくつかのアイテムは、そのアイテムの原材料を使用して修理することができる。原材料1つにつき耐久力を最大25%まで回復させられる。
1回の修理につき累計作業値が1加算される。そのためアイテムをほぼ限界まで使用した後、金床で一度に4つのアイテムを使用して最大まで耐久値を回復させるか、同じアイテムと合成して耐久値を回復させるかをすることで、必要な経験値量を抑えることができる。
なお、ダメージ増加付きの鉄インゴットなど、コマンド等でエンチャントが付いた原材料を出してそれを修理に用いた場合、原材料のエンチャントは無視される。
以下に防具・道具・武器とそれを修理できるアイテムの一覧を列挙する。列挙されていないものは修理できるアイテムが無く、自身と同じアイテムを合成することでのみ修理することができる。
金床は耐久値が減っているわけではないため、修理することはできない。
アイテムの合成[]
金床は、同じ2つのアイテムや、アイテムとエンチャントの本を合成することができる。これは武器や防具などの耐久力を持つアイテムと、エンチャントの本にのみ適用される。アイテムを合成すると、エンチャントの移動と、耐久値の回復の処理がそれぞれ行われる。それぞれ経験値が必要となるが、2つ同時に行う場合はコストの一部が共有される。
右にあるアイテムにエンチャントが付いていた場合は、エンチャントに応じてさらに作業コストが加算される。詳細は#エンチャントの合成を参照。
アイテムを合成した場合、右側のスロットにある方のアイテムは消滅する。
- 左にあるアイテムの耐久値が減っている場合、右にあるアイテムの耐久値にそのアイテムの最大耐久力の12%を加えた値が耐久値に加算される。アイテムの最大耐久値を超えることはできない。また、右側がエンチャントの本である場合はこの処理はされない。この修理に必要な経験値量は2レベルである。
- 右にあるアイテムにエンチャントがある場合、エンチャントを合成するために以下の処理が行われる。左右のアイテムに2種類以上のエンチャントがある場合は、それぞれのエンチャントに対して以下の処理が行われる。
- 2つのアイテムが同じエンチャントを持っている場合
- 右にあるアイテムのエンチャントレベルの方が大きい場合、右にあるアイテムのエンチャントレベルと同じレベルになる。
- 左右のアイテムのエンチャントレベルが等しい場合、エンチャントレベルが最大でなければレベルが1つ上がる。
- 右にあるアイテムのエンチャントレベルの方が小さい場合、何も起こらない。
- 右にあるアイテムのみそのエンチャントを持っている場合、左にあるアイテムのエンチャントと競合しなければ、そのエンチャントが合成される。競合する場合はそのエンチャントは付かない。
- 左にあるアイテムのみそのエンチャントを持っている場合は、そのエンチャントをそのまま引き継ぐ。
- 2つのアイテムが同じエンチャントを持っている場合
競合するエンチャントが付いたツールを金床で使用した場合、左にそのツールを置いた場合はそれがそのまま引き継がれ、右にそのツールを置いた場合は、上の方にあるエンチャントが優先的に付与される。
エンチャントの合成[]
アイテムの合成時に、右にあるアイテムにエンチャントが付いていた場合、そのエンチャントに応じてさらに作業コストが増加する。具体的には、エンチャントのレベルとエンチャントの倍率を掛けた値を作業コストに足す。#例で金床で合成を行った際の例が示されているので、そちらも参考にしてほしい。
右にあるアイテムについたエンチャントについては、以下の処理を行う。エンチャントが複数ついている場合は、複数のエンチャントそれぞれに以下の処理を行う。
- 剣への火炎耐性など、適用できないエンチャントは無視する。
- Java Editionの場合、そのエンチャントが左にあるアイテムについたエンチャントと競合するならば作業コストに1を足す。
- そのエンチャントが左のアイテムに既についているエンチャントと競合しない場合は...
- Java Editionであれば、合成後のエンチャントのレベルにこの表の倍率を掛けた値を作業コストに加える。
- Bedrock Editionであれば、合成後のエンチャントレベルと元のエンチャントレベルの差にこの表の倍率を掛けた値を作業コストに加える。
この表では、ネザライトのツールや防具は、全ての素材のツールや防具にエンチャントできることを示している。
エンチャント別の作業コストの倍率 | |||||
---|---|---|---|---|---|
ID[注釈 1] | エンチャント | 最大レベル | 付与可能アイテム | アイテムの倍率 | 本の倍率 |
0 | ダメージ軽減[注釈 2] | IV | 1 | 1 | |
1 | 火炎耐性[注釈 2] | IV | 2 | 1 | |
2 | 落下耐性 | IV | 2 | 1 | |
3 | 爆発耐性[注釈 2] | IV | 4 | 2 | |
4 | 飛び道具耐性[注釈 2] | IV | 2 | 1 | |
5 | 棘の鎧 | III | 8 | 4 | |
6 | 水中呼吸 | III | 4 | 2 | |
7 | 水中歩行[注釈 3] | III | 4 | 2 | |
8 | 水中採掘 | I | 4 | 2 | |
9 | ダメージ増加[注釈 4] | V | 1 | 1 | |
10 | アンデッド特効[注釈 4] | V | 2 | 1 | |
11 | 虫特効[注釈 4] | V | 2 | 1 | |
12 | ノックバック | II | 2 | 1 | |
13 | 火属性 | II | 4 | 2 | |
14 | ドロップ増加 | III | 4 | 2 | |
15 | 効率強化 | V | 1 | 1 | |
16 | シルクタッチ[注釈 5] | I | [BE限定] | 8 | 4 |
17 | 耐久力 | III | 2 | 1 | |
18 | 幸運[注釈 5] | III | 4 | 2 | |
19 | 射撃ダメージ増加 | V | 1 | 1 | |
20 | パンチ | II | 4 | 2 | |
21 | フレイム | I | 4 | 2 | |
22 | 無限[注釈 6] | I | 8 | 4 | |
23 | 宝釣り | III | 4 | 2 | |
24 | 入れ食い | III | 4 | 2 | |
25 | 氷渡り[注釈 3] | II | 4 | 2 | |
26 | 修繕[注釈 6] | I | 4 | 2 | |
27 | 束縛の呪い | I | 8 | 4 | |
28 | 消滅の呪い | I | [BE限定] | 8 | 4 |
29 | 水生特効 | V | 4[Java Edition限定] 2[Bedrock Edition限定] | 2[Java Edition限定] 1[Bedrock Edition限定] | |
30 | 激流[注釈 7] | III | 4 | 2 | |
31 | 忠誠[注釈 7] | III | 1 | 1 | |
32 | 召雷[注釈 7] | I | 8 | 4 | |
33 | マルチショット[注釈 8] | I | 4 | 2 | |
34 | 貫通[注釈 8] | IV | 1 | 1 | |
35 | 高速装填 | III | 2 | 1 | |
36 | ソウルスピード | III | 8 | 4 | |
37 | スニーク速度上昇 | III | 8 | 4 | |
N/A[注釈 9] | 範囲ダメージ増加 | III | 4 | 2 |
例[]
ここでは、金床でアイテムを使用した際の例を示す。特筆しない限り、累計作業値は0であるものとする。
名称変更[]
名称を変更すると、コストが1かかる。
原材料での修理[]
耐久値のあるアイテムと、そのアイテムの素材となるアイテムを合成することで、耐久値を回復させることができる。コストは、素材となるアイテムの個数である。したがって、この場合のコストは2である。
アイテムの合成[]
左の金の剣は、ダメージ増加 III、ノックバック II、ドロップ増加 IIIを持っており、右の剣はダメージ増加 IIIとドロップ増加 IIIを持っている。この時、以下の順に処理が行われる。
- ダメージ増加は同じレベルであるため、ダメージ増加 IIIからダメージ増加 IVになる。ダメージ増加のアイテムの倍率は表から1であることが分かるため、コストは、Java Editionでは4(1×4、倍率×レベル)、Bedrock Editionでは1(1×1、倍率×増えたレベル)となる。
- ノックバックは左のアイテムにしか付与されていないため、無視する。
- ドロップ増加は同じレベルであるが、既に最大レベルなのでドロップ増加 IVにはならない。ドロップ増加のアイテムの倍率は表から4であることが分かるため、コストは、Java Editionでは12(4×3、倍率×レベル)、Bedrock Editionでは0(4×0、倍率×増えたレベル)となる。
したがって、Java Editionでは4+12で16、Bedrock Editionでは1+0で1のコストがかかることになる。
なお、左右を入れ替えた場合、ノックバックのアイテムの倍率は表から2であるため、Java EditionでもBedrock Editionでも4(2×2、倍率×レベル)が加算される。これは、ノックバック 0にノックバック IIを付与することになるためである。
左の金の剣は、ダメージ増加 III、ノックバック II、ドロップ増加 Iを持っており、右の剣はダメージ増加 IIとドロップ増加 IIIを持っている。この時、以下の順に処理が行われる。
- ダメージ増加は左のレベルの方が高いため、ダメージ増加のレベルはIIIのままである。Java Editionでは、ダメージ増加のアイテムの倍率は表から1であることが分かるため、コストは3(1×3、倍率×レベル)となる。Bedrock Editionでは、レベルは変動していないためコストは0である。
- ノックバックは左のアイテムにしか付与されていないため、無視する。
- ドロップ増加は右のレベルの方が高いため、ドロップ増加のレベルはIIIになる。ドロップ増加のアイテムの倍率は表から4であることが分かるため、コストは、Java Editionでは12(4×3、倍率×レベル)、Bedrock Editionでは8(4×2、倍率×増えたレベル)となる。
したがって、Java Editionでは3+12で15、Bedrock Editionでは0+8で8のコストがかかることになる。
左の金の剣は、ダメージ増加 IIを持っており、右の剣はアンデッド特効 Vを持っている。
この時、ダメージ増加とアンデッド特効は競合するため、左のアイテムについているダメージ増加が優先される。Java Editionでは競合するエンチャントが付いていたため、コストは1となる。Bedrock Editionではコストはかからない。
したがって、Java Editionでは1、Bedrock Editionでは0のコストがかかることになる。
左の金の剣は、ドロップ増加 IIを持っており、右のエンチャントの本はダメージ軽減 III、ダメージ増加 I、ドロップ増加 IIを持っている。この時、以下の順に処理が行われる。
- ダメージ軽減は、剣に付けられないため無視する。
- ダメージ増加は右のアイテムのみ持っているので、そのままダメージ増加 Iが付与される。Java EditionとBedrock Editionともに、ダメージ増加の本の倍率は表から1であることが分かるため、コストは1(1×1、倍率×レベル)である。
- ドロップ増加は同じレベルであるため、ドロップ増加 IIからドロップ増加 IIIになる。ドロップ増加の本の倍率は表から2であることが分かるため、コストは、Java Editionでは6(2×3、倍率×レベル)、Bedrock Editionでは2(2×1、倍率×増えたレベル)となる。
したがって、Java Editionでは1+6で7、Bedrock Editionでは1+2で3のコストがかかることになる。
複合[]
ここでは、複数の作業を一括で行う場合の例を示す。
原材料での修理を行いながら、名称を変更している。鉄インゴットを2個使用しているためコストは2、名称を変更しているためコストは1で、最終的なコストは2+1で3である。
アイテムの合成をしながら、名称を変更している。
左の金の剣は、ダメージ増加 III、ノックバック II、ドロップ増加 IIIを持っており、右の剣はダメージ増加 IIIとドロップ増加 IIIを持っている。この時、以下の順に処理が行われる。
- ダメージ増加は同じレベルであるため、ダメージ増加 IIIからダメージ増加 IVになる。ダメージ増加のアイテムの倍率は表から1であることが分かるため、コストは、Java Editionでは4(1×4、倍率×レベル)、Bedrock Editionでは1(1×1、倍率×増えたレベル)となる。
- ノックバックは左のアイテムにしか付与されていないため、無視する。
- ドロップ増加は同じレベルであるが、既に最大レベルなのでドロップ増加 IVにはならない。ドロップ増加のアイテムの倍率は表から4であることが分かるため、コストは、Java Editionでは12(4×3、倍率×レベル)、Bedrock Editionでは0(4×0、倍率×増えたレベル)となる。
そしてさらに、名称を変更しているため、コストは1かかる。
したがって、Java Editionでは4+12+1で17、Bedrock Editionでは1+0+1で2のコストがかかることになる。